植物には「ウイロイド」による病気があります。動物には見つかっていません。
「ウイロイド」は「ウィルス様のもの」ということで名付けられています。
ウィルスと違う点は、ウィルスのように「タンパク質の殻(カプシド)」が無いのです。
裸の低分子環状1本鎖のRNAのみから出来ています。
ですから、ウィルスよりも更に小さいのです。(約10分の1)
すごく簡単に感染してしまいます。
日本でも、約20種のウイロイドが報告されています。
植物の矮化や奇形を引き起こします。
(世界では、2科、7属、28種が報告されています。)
ウイロイドは、DNAが生物の設計図ならば、設計図の施行稟議書に印を押してあるような実行可能設計図としてのRNAのみです。
ウィルスの場合でも同じですが、転写する行程が無いだけに簡単に「早く」感染し「実行」しやすいのです。
ウイロイドは、RNA自体もタンパク質をコードしていません。ですから「mRNA」でなく、「non-codingRNA」で、「ncRNA」として「tRNA」とか「rRNA」などと表示されます。数百ヌクレオチド長程度の極小さなRNA分子だけの構造です。
ジャガイモやせ病、キク矮化ウイロイド、リンゴくぼみ果ウイロイド、ブドウ黄色斑点ウイロイド、トマト退緑萎縮ウイロイドなどが知られています。